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2. 実験装置と方法
実験装置の概要をFig.1(a)に示す。予め準備しておいた試験流体を水槽?から水位一定のオーバーフローヘッドタンク?に送り、測定菅?を通してそのまま排水する。試験流体は水道水、水道水に3%の重量濃度で市販の塩を溶解させた塩水(人工海水)、人工海水にPEO(ポリエチレンオキサイド)を10〜100ppm溶解させたPEO水溶液、攪拌機または遠心ポンプで攪拌したPEO水溶液である。なお、PEOは直鎖状の高分子で分子量に対応させて市販されているPEO−1(分子量約30万)、PEO−8(分子量約200万)、PEO−18(分子量約450万)15)を用いる。攪拌機による攪拌はFig.1(b)に示すステンレス銅板製の枠に直径0.25mmのナイロン糸を1mm間隔で編目状に編みこんだ攪拌機(以下攪拌機Aと呼ぶ)とFig.1(c)に示す直径22mmの塩化ビニル円管を75mm間胴に設置した攪拌機(以下攪拌機Bと呼ぶ)を製作し、試験流体を入れた円筒形容器の中でモーターにより回転させて行った。遠心ボンプによる攪拌は市販の遠心ポンプ(吐き出し口径30mm、羽根車の外径124mm)(以下遠心ポンプAと呼ぶ)とFig.1(d)に示す市販の通称バスポンプ(吐き出し口径12mm、羽根車の外径29mm)(以下遠心ボンプBと呼ぶ)でFig.1(a)の?に設置し、水槽?と水槽?の間をポンプにより1〜10回回流させて攪拌する。
測定管?は、内径9.3mmの透明アクリル樹脂管で、3000mm直管部に200mm間隔で直径0.8mmの静圧孔を設けてある。静圧はマノメータ?で、流量は体積流量法で測定する。 測定管?の各位置での静圧分布と流量より壁面せん断応力τ=dΔp/(4l)と壁面でのずり速度D=8V/dを求める。ここに、d、Δp、l、Vはそれぞれ円管内径、測定区間の圧力差、測定区間の長さ、平均流速である。先ず、べき乗則τ:κDnの成立を確認し、物質定数n、Kを求める。これより、一般化レイノルズ数

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を求める。なお、PEO添加水溶液の粘度はウベローデ粘度計で測定する。
円管内流れの可視化には測定管?の代わりに内径25.9mmの円管を用い、層流の場合には水素気泡法により、乱流の場合にはトレーサ法により可視化する。水素気泡法では管入口から約80直径2000mmの位置に陰極線として直径0.05mm〜02mmのステンレス鋼線を、その後方50mmの位置に陽極線として0.2mmのステンレス鋼線を設ける。市販の水素気泡発生装置の電圧、パルス電流の周期を適当に設定して流れを可視化し、ビデオカメラで撮影した映像を解析する。乱流の場合にはタイムラインが乱れて水素気泡法は適当でないので、トレー

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Fig.1 Experimental Apparatus

 

 

 

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